その1、その2、その3、その4、その5を読んでなかったらそちらからどうぞ。
今回は今まで話してきた中で避けていた、ちと込み入った話をしていこうと思います。
パンフォーカス
被写界深度をできるだけ深くとって全体にフォーカスを当てることをパンフォーカスといいます。風景写真などではこのパンフォーカスにするのですが、実際のところどれくらい絞ればいいでしょう?ということで、ここで被写界深度を求める計算式を見てみましょう
※D:被写界深度、Df:前方被写界深度、Df:後方被写界深度、d:許容錯乱円直径、F:F値、L:被写体距離、f:焦点距離
これが被写界深度の計算式です。これらのうち、後方被写界深度の分母の部分を見てみるととなっていますね。は焦点距離なので一定とするとF値を大きくしていけばのほうがどんどん大きくなっていって最終的には分母が0、つまり全体としてある後方被写界深度が無限大になる点が出てきます。被写界深度の後方は無限遠までフォーカスがあたっているので、これ以上絞っても意味を成さないということになります。
で、
- 開放する = 一部にフォーカスがあたる = ほとんどがぼける
- 絞る = 全体にフォーカスがあたる = なんかシャープのような気がする
という勘違いをしてしまいがちですが、絞りすぎるとピンホールカメラのレンズのような光の回折現象によって小絞りボケが発生するので、パンフォーカスにするにしても無限遠にフォーカスがあたってるならそれ以上絞らないようにしましょう。どこかで聞いたのですが、レンズによりますがだいたいF8くらいが一番シャープネスがきつく出るそうです。
まとめ
- パンフォーカスにするにしても絞り過ぎないようにしましょう。
- どれくらい絞れば無限遠にフォーカスがあたるか知っておきましょう
被写界深度の計算はここのサイトが便利です
被写界深度の計算 〜各種カメラ・フィルム・レンズによる被写界深度の違いを一覧表で比較〜
単焦点レンズを選ぶ理由
今日日一般的に使われているのはズームレンズですが、あえて単焦点レンズを使う理由を書いて見ます。
明るい
単焦点レンズはとりあえず明るいです。F1.4とか。これはなかなかズームレンズにはないので単焦点レンズを選ぶ理由になりますが、果たしてF1.4が必要になるときがそんなにあるのかどうか怪しいところです。
ケラレない
ケラレとは写真の外側の光の量が中心に対して極端に低下し暗い円状の影のようなものが写ることを言います。いまどきなズームレンズではそうそうでないでしょうけど、単焦点レンズに比べると若干ケラレ安いといわれています。ただ単焦点レンズでも広角だとケラレやすいんですがね。トイカメラユーザは逆にケラレのことを「トンネル効果(量子力学じゃないよ)」と呼んでトイカメラのよさのひとつと言ってます。
収差が小さい
収差の説明はこちらを参照してください。いまのレンズは非球面レンズなのでそうそう大きくゆがんだりはしないですが、やはりズームレンズだと抑えにくいという話を聞いたことがありますが…よほどこだわりがない限り気にするほどのこともないようです。トイカメラの王様HOLGAなど1玉レンズなカメラはぐにゃぐにゃに曲がりますが、これもトイカメラのよさなのでしょう、おそらく。
まとめ
はめかえの面倒な単焦点レンズを選ぶというのはよほど物好きじゃないと(ry
デジカメvsフィルムスキャナー
まえにスキャナーの比較を書きましたが、結局のところデジカメと比べるとシャープネスの面ではまったく勝ち目がありません。くっきりはっきりな写真が撮りたいならあきらめてデジタル1眼を買いましょう。
ではフィルムスキャナーはどこによさがあるか?
フィルムの色のよさ
きれいに撮るならProvia100FやVelvia50などがありますが、SolarisやAGFA CT PRECISAなどを選べばフォトショップには出せないような面白い色の写真が撮れます。
1枚にかかるコスト
もちろんデジカメのほうがはるかに安いですが、フィルムだとフィルム代・現像代がかかるので1枚の写真に入れる気合が変わってきます。数多く撮ってうまくなるか、1枚1枚気合を入れて撮ってうまくなるか、どっちがいいのかはわかりませんが(^^;